快体健歩RC net topic vol.20 (2021.5.7)

ロングコンコーニビルドアップサバイバルの結果報告

快体健歩RC net topic vol.20 (2021.5.7)
快体健歩ランニングクラブ代表 佐々木誠
【ロングコンコーニビルドアップサバイバルの結果報告】

これまでの経緯はnettopicsのバックナンバーに詳細がありますが、前回のvol.19にまとめておりますので、そこをお読みいただくと以下がわかりやすいと思います。・・・ということで改めて「本格的なトレーニングの計画やメニュー作りの指標となるデータ収集」を目的とした“ロングコンコーニビルドアップサバイバル”の結果を報告します。
 
<実施内容>
コース:神宮外苑周回コース 
入りの速さ:7分00秒
1ステージ(=ビルドアップの1区間)の距離:1周回1325m
ステージ間の上げ幅:10秒/1km
計器:ポラール社M430 ※ラップはマニュアル操作
 
結果は以下のとおり。
  1周目 2周目 3周目 4周目 5周目 6周目 7周目 8周目 9周目 10周目 11周目 12周目 13周目 速度平均 脈平均 脈最大 総走距離km
速さ 07:00 06:50 06:40 06:30 06:20 06:10 06:00 05:50 05:40 05:30 05:20 05:10 05:00        
12/1 125 130 133 136 138 141               6:33 130 140 8.0
12/7 121 120 123 129 133 136 137             6:28 128 146 9.3
12/15 121 125 128 132 130 134 135 138           6:24 130 154 10.6
12/24 117 124 129 132 136 139 144 156 164         6:20 138 176 11.9
12/30 117 123 128 128 129 134 139 143 147 151       6:14 134 159 13.3
1/5 116 121 126 129 133 130 124 137 145 156 161     6:10 134 166 14.6
1/12 113 115 118 121 128 129 134 140 143 153 162 166   6:06 135 174 15.9
1/19 110 120 125 128 133 131 141 161 154 155 136 130 126 6:03 134 169 17.2
平均 118 122 126 129 133 134 136 146 151 154 153 148 126        
 
・値は各周回ステージ(1325m間)の脈拍(bpm)の平均、[脈平均]は総周回の平均合計の平均、[脈最大]は計器にメモリーされた瞬間最大値
・気象条件としては、どれも風速5mを超えることのない日で、視界も路面も良好。
・開始時刻は10:00頃で、起床や朝食時間からの乖離幅を1時間程度に統一させました。
・毎回の間隔を空けすぎず、詰めすぎず、1週間程度にしました。
・速さ精度は、下線の4ステージで5~6秒/1km速かった以外は5秒/1km未満の誤差内に収められましたのでデータの考察には問題ないと判断します。
・1月19日の11周回目以降のデータ(脈)は低過ぎると思います。過去にも1時間以上のデータを採っていると、20回に1回程度、身体感覚より明らかに高い脈が表示されることはありましたが、このように明らかに低いのは初めてのことです。おそらく計器の誤作動によるものと思われますが確かめようがありません。一応結果として掲載しましたが使えないデータです。
・この期間のそれ以外のトレーニングについては、概ね2,3回の5㎞~15㎞走で、その時点の最大脈拍や最も速い(=最終ステージ)の速さでよりは軽い負荷にとどめました。そのほかにマラニックや試走練習会の試走や本番の長距離が数回ありました。また、メインのビルドアップサバイバルの後に筋トレと縄跳びのエクササイズを定例化しておりました。
 
<結果データから>
自分でも最大の関心事だった「どこまで上げられるか?」については、表で見る限りは「5分00秒/1km」までということになりました。当然その先に臨む気持ちも走力もあったのですが、1月19日のトレーニングを最後に身体コンディションが伴わず、やむなく終了ということになってしまいました。私自身残念ですが、面白くない結果になってしまい申し訳ございませんでした。
 
一か月半、8回で打ち切りの中途半端な結果ではありますが、幾つか得られたことを紹介します。
 
■同じ速さ(=ステージ)でも回を重ねるごとに低い値になっている傾向が見られます。特に、遅いスピード(=走り始め)ほど顕著です。初心者でもなく、これ以外にも走っていることを考えれば、走力向上(=身体機能向上)ということではないと判断します。環境、モチベーション、負荷の条件すべてが等しいスタートを重ねるほどに、心身の順化が進み、緊張感を下げたことで低い脈拍に移行していったと分析します。
 転じて、レースに臨む場合も、コースの試走を同条件で何回も重ねることで、序盤の緊張、無駄なエネルギーの消費を抑制することができるといえます。様々な競技でホームがアウェイより有利な要因の一つといえるかもしれません。
 
■テストの最大の目的の一つである最大脈拍数の実測については該当するデータを得るまでに至りませんでしたが、少なくとも160bpm台ではなく170台よりは上ということはわかりました。このテスト(=トレーニング)を行う以前の春から夏のトレーニングデータとも合致します。
このことから言えることは、故障のリスクが高くなる目安の一つである最大脈拍の80%ラインは136bpmですから、136bpmを超える走りになる場合は、頻度や距離、時間に慎重さを忘れないということです。初心者の方はこうしたことがわからないので故障にいたってしまうことがあります。運動経験が豊富で丈夫な運動器を備えている人の場合では、むしろどんどん高い負荷に移行してしまうことでハイリスクとなります。
 
■もう一つの目的であるAT(Anaerobics Threshold日本語では無酸素性作業閾値)ポイントの検出については、“検証の余地はまだまだありますが”、140台前半のように読み取ることができます。ATポイントは、右上がりの計測値において上がり方が急上昇になるポイントです。7周目と8周目の平均が136と146と、この間だけが、他の速さステージの間隔よりも大きく10ポイントも上昇しています。各回の1回の上昇の仕方をみても140台前半周辺の値が気になります。
 ATポイントを簡単に説明すると、この辺りを境に脂肪燃焼だけのエネルギーでは賄いきれずに糖のエネルギー利用が亢進してゆき、筋疲労も進みます。この前後でのペース持続走をマラソンなど長距離における走力向上のメイン練習と考えます。脈拍数が5ポイント違っただけで疲労度や効果が異なります。良い練習になったかどうかは、その時々に獲得したい走力に応じたストライクゾーンの脈拍で走れたかどうかということです。
私のデータからは「140台前半はわりと明確ではないか」という見方もできそうですが、告白しますと、データ取得回数の半分にあたる4回において6周目の後半でトイレブレイクを取ってしまっているのです。6週目の後半でインターバルがあると7周目はラクになり、仮にブレイクを採らなかった場合よりも低い値になりますから、8周目との開きは大きくなりえるということです。“検証の余地はまだまだありますが”と言ったのはそういう意味です。いずれにしても1月19日のデータは怪しいので、そこから採り直してさらに数ステージ重ねてゆければ明確なATが出せると思われます。感覚的には、まだデータの少ない上の(速い)レベルであるような気もしています。また、採り直しする場合は、トイレに行かなくても良い季節、時間、入りの速さを考える必要があります。
 
■さて、仮にこの状態でハーフマラソンに臨むとしましょう。自己ベストとかにこだわらず、故障のリスクを冒さず、これまでのトレーニングの成果を出し、さらに今後につながる結果を出すには、あなたならどんな目標設定とアドバイスをしますか?
長くなりましたので次回に回します。

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